岡山失語症の会コスモスには、患者だけでなく、家族が集う「家族会」というものがあります。
患者が行う毎月の座談会の「月例会」に並行して、「家族会」が開かれています。 脳卒中やけがで倒れ、突然に言葉や身体の自由を失った当人が、当然一番辛く悲しいのですが、家族も大変な思いをします。意識が戻らない時期には、「どうにか助かってくれ」と何かにすがるような思いでおり、体や言葉の後遺症に絶望し悲しみにくれる時には、明るく笑顔で支えようとします。家族の大黒柱が倒れた場合には、さらに入院費や生活費などの生活不安も重くのしかかってきます。しかし、そうした重い気持ちを吐き出すところはなかなか無いのです。他の家族にも、友人にも、職場の同僚にも、心配をかけまいと精一杯元気に振る舞うのですが、実は体も心も疲れ果てているのです。 そんな時、近くに同じ思いをしている、あるいはそうした経験のある仲間がいたら、どんなに救われるか。「家族会」は、そんな家族たちが、弱音や本音を出し合い励ましあう場なのです。そして、同じ経験をした「先輩」が、いま悩み疲れている「後輩」の支えになっていこうとしています。